理系のキャリアを再考しつつ、色々と考える日記

少し変わったキャリアを歩んでしまった人が日々思うことをつらつらと書くblogです。

博士に進むべきか

理科系の学問を学ぼうと思う人は誰もが一度は考えるであろう。特に理学部に進む人は。なぜか生物系にそんなことを考える輩がいる。農学部という、応用学部であってもそう考える人がいる。(実践の為の学問なのだが。。)今回は博士過程(生物系)の進学について考えてみる。
まず結論を先に言うと、辞めておいた方が良い。少なくとも就職では非常にふりである。研究を通して培われる論理的思考力が云々はまやかしと考えた方が良い。別に論理的な思考は研究にユニークなものではなく、体系立った学問を学べば身につけることが可能だ。
博士過程の何が問題かというと、それ自体がブラック企業そのものだからだ。私は博士過程に在籍したわけではないが、聞くところによると、労働(実験)時間は長く、低賃金(むしろとられる)、福利厚生なし、ノルマが厳しい(論文を書く、実験結果を出す)、、らしい。ブラック企業でキャリアをつんでも、結果的には何のスキルも身につかないことは想像にかたくない。限定された知識が身につく博士課程への進学はブラック企業への入社と同じだ。
ブラック企業-特に飲食業が多い-トップの経営層は、莫大な年俸、高い社会的地位を手にいれることができる。研究の世界でも同じだ、ごく一部の天才が社会を変える偉大な発見をし、社会的地位、莫大な予算を手にいれる。博士過程とまったく同じだ。
海外では云々という声が聞こえてきそうだが、状況はたいして変わらないと考える。なぜ、実践的なトレーニング場所であるMBAを取得した者や、経済学、マーケティングの仕事に必要な十分な基礎を学んだ学生を差し置いて博士をとるのだろうか。学部卒の方が若いので明らかに有利だ。USで博士が一般企業で活躍云々の話を聞くが、それはUSが高度な学歴社会で博士が多いからだ。30-40年前の日本では高卒が当たり前だったが、今は大学にほとんどの人が進学する。一方、アメリカは、昔は大卒が多く、今は多くが博士過程に進むという状況であろう。まあ、人間の寿命が長くなっているのだから、30歳まで学び、働くというのはおかしくはないが。

なお、和民などの企業は、ブラックと呼ばれるが社会に必要な会社だ。もちろん、同様に博士過程も社会に必要なのである。ただ、ブラック企業パラダイムシフトでホワイト企業になり得る、もちろん今の大学が博士過程にとって代われば、そこはホワイトそのものだろう。
まあ、向こう30年くらいはブラック企業とは思う。