理系のキャリアを再考しつつ、色々と考える日記

少し変わったキャリアを歩んでしまった人が日々思うことをつらつらと書くblogです。

STEM Field

STEM細胞、幹細胞ではない。教育分野のSTEM fieldに再びスポットがあたっている。STEMは、Science, Technology, Engineering and Mathematics の頭文字からきている。いわゆる、理数系教育のことである。
アメリカではやっておりIBMが学校を作ったりしていると言う。もちろん、日本でも科学技術立国を目指し、重点的な分野であると言われて久しい。アメリカやイギリスの経済雑誌を読んでみると、かの国でもSTEMに習熟した人材が不足しているとの記載がある。アメリカの調査ではSTEMに習熟した女性は、そうでない女性と比較し33%もの年収差があるとある。それにも関わらず、日本の理系離れと同じく、他の国も同じ状況の様だ。もっとも、日本では景気が悪くなると、工学部の人気が上がるといった話はあるが、根本的な問題解決にはならない。
経済の持続性を考えればSTEMに習熟した人材の育成は必須ではあるが、解決策を見出すのは難しいであろう。そこで、アメリカがとる戦略は移民だ。アメリカの富に惹かれ、STEM人材が移民する。STEM人材は高度な研究、チャレンジングなジョブを求める。一方、アメリカは十分な教育、ジョブの機会を与える。双方の利益が一致する。しかしながら、日本は移民を受け入れるという発想に乏しいことに加え、言語の問題がある。日本人は英語ができない。これでは他の国に遅れをとるばかりである。
日本ではSTEM教育に加え、英語力の強化も必要であろう。技術、語学 -明治時代の産殖興業のようである。当時の教育は一部のエリートのみ専用であったが、あのレベルの教育体制を一億総出で実施するべきである。
他国はSTEM、STEMと騒いでいるが日本は明治時代、いや江戸時代からこの分野の教育が得意なのである。したがって、カリキュラムやどうすれば良いかは答えが出ているはずだ。しかし、残念ながら明治時代とは一点異なる点がある。学ぶ動機である。戦前は、武士-国家の為に命を尽くすものが学問を学んだ事に加え、欧米列強の侵略に怯える日々が強い向上心を築いたと言える。戦後間も無くは、学べば豊かになる、豊かになるには学ぶしかない、敗戦により途上国に成り下がった日本人にはハングリー精神があった。しかし、現代は日本は豊かになり、加えて学べは豊かになるわけでなく一寸先は闇である...
STEM教育を行う素地は十分なのではあるが、人々の意欲を変えるの難しい。昔のように、途上国に戻るのも難しい。しかし、STEM教育 -理数系教育は20-30年で実現、成功すると思う。理由は内容が面白いからである。日本人は昔から理数の分野が大好きだ。理数に限らず、勉強が好きだ。源氏物語を暗唱し、貸本がブレーク、商人が一日中数学の問題を解く、、吉田松蔭に限っては、国禁をおかしてまで海外で学ぼうとした。日本人はSTEMと騒がなくても、国民は勝手に学んでいくのかと思う。