理系のキャリアを再考しつつ、色々と考える日記

少し変わったキャリアを歩んでしまった人が日々思うことをつらつらと書くblogです。

数学不要論、数学-物理なしで理科系学部に進学する(どうなるか?)

始めに断っておく。僕の高校時代の得意科目は数学。大学では物理化学。数学は嫌いではないし、苦手意識もない。どちらかというと数理系学問-特に物理学のファンである。

それでも、たまに数学は不要だと思う時が多々ある。

実は高校の頃は数学や物理ができない奴が理系学部に進んでなんになると思っていた。大学の時も思っていた。

社会人になって変わった。別にいらないよねと。

高校生を脅すためか、世間では以下のように言われる。

大学の数学は哲学。物理は高校数学。化学は物理。生物は化学。

これは実にあたっていることであるとは思うが、別に化学、物理、数学を学ばないと大学で勉強についていけないというわけではない。

はっきり言って、どの学問もある程度独習ができる。

また、必要な分野のみ切り取って使うこともできる。

したがって、別にわからなくても特に問題はない。例えば、分子生物学を学ぶために、高校の生物の教科書を読む必要などない。化学も不要である。

いきなり大学の教科書を読めばよい。

大学の(分厚い教科書は)驚くほど、丁寧に記載されており独習に向く。

物理化学の(入門的な)教科書であれば、別に高校レベルの知識を必要としておらず、単位系の説明から、数学の公式、微積分の方法、数式をどうやってイメージすべきかが記載されている。

もちろん、数学などで不明点があれば数学の参考書を身にいかなければならないが、別に不明な部分だけ参照すればよい。

つまり、物理化学の基礎科目は、物理学ー化学ー数学ではなるが、別にそれぞれを体系的に学ぶ必要はないのである。

したがって、高校レベルの知識がなくとも、問題はない。

一番問題なのは、関心があるかと、苦手意識がないかであると思う。

苦手意識ー 一番厄介である。例えば、生化学でならうミカエリスーメンテンの式。

V = d[S] / dt = Vmax[S] / Km + [S] 

数学に苦手意識をもつ人は、V = d[S] / dt に違和感を感じる。

しかし、これは意味のない違和感である。この形で数値実験できない。

実際に実験で使う形は、V^-1 = 1 / Vmax + Km / Vmax * [S]^-1 となる。

この時点では、ただの中学のレベルの数式である。

さらに、実際に処理を行うときは、V^-1, [S]^-1 をEXCELに入力して、最小二乗法を選択。で終わる。

つまり、V, [S]の値がわかれば、Excelを使ってKm値、Vmaxを決定することをできる式。しかも、計算式はexcelにあらかじめ記載しておけば良い。

このレベルである。数学というよりかは、excelに詳しいか否かの方が重要である。

それも、V = d[S] / dt は何か?を理解するためには物理学を学ぶ必要があるが、別に端折って、V^-1 = 1 / Vmax + Km / Vmax * [S]^-1 だけ覚えても実験に支障はでない。

 

こんなかんなで別にまったく支障はでないし、数学-物理が得意=実験が得意、なわけではないので、別に実験系の学科に進んだのあればまったく苦労しないであろう。

なのに、みな数学や物理が苦手だと理系をあきらめる。もったいない。

ただ1つだけ言うことがあるとすれば、別に学ぶことが必須ではないが、数学Ⅲをとりませーんとかいっている人は自然科学を学ぼうとしている人としては失格である。

大学は(概して)偏差値が高いほどレベルの高い研究を行っている。

偏差値が高い学科は、数学Ⅲが受験で必要だ。自然科学を学ぼうと思っている人はレベルの高い研究や、学問を学ぶべきで、数学Ⅲをとらない!!という人は高いレベルにチャレンジするのをあきらめている様に見える。

心構えの問題だ。苦手だから、理系は無理ではないが、苦手だからといってチャレンジしない人はだめだ。

苦手だからと、理系進学をあきらめかけている人は是非進学してほしい。

かういう僕は実は農学部に進んだ理由の一つに、自分のレベルでは大学で数学-物理を学んでも意味ないのではなかろうか...というのもある。今思えば杞憂だった。農学部へ進学したことが成功だったかはわからないが、もし高校生に戻れたら理学部物理学科か化学科に進学するな。