理系のキャリアを再考しつつ、色々と考える日記

少し変わったキャリアを歩んでしまった人が日々思うことをつらつらと書くblogです。

農学部と進路

農学部の主な進路について書きたいと思う。

農学部と一口に言っても、多様な学科がある。大きくは3つの学科に分類される。

①農業学科

②農芸化学科

③農業経済学科

最近は、農業の農という字にだささを感じるのか、①を環境科学、環境工学、②を生命科学(①の一部も)、③を環境経済とか何やら意味のわからない名前をつける大学が大半である。この3つは伝統的な学科名ではあるが、ほとんどの大学でこの名称は使用されていない。(今回はメジャーではあるがあまり知らないこともあり獣医学科は割愛する。)

以下に各学部のイメージを記載する。私が卒業したのは②であり、①③は又聞きレベルではあるが。

①世間一般がイメージする、園芸学、畜産、品種改良...などThe 農学といった分野。ここに入ってくる人は、おそらく本当に世間がイメージする農学を学びに来ているのだと思う。(園芸、(農業分野の)公務員、環境コンサルタント)マニアックな会社への就職が強い。測量師?みたいな資格もとれる。

もやしもんの世界、醸造学、微生物学 -生化学をベースにした分野。化学がベースとなるので食品会社とかに入りたいなーと思った人が来る。醸造学、微生物学、(天然物に対する...)有機化学、食品化学は強い。しかし、近年、化学ベースの男気溢れた伝統学問は、生命科学に浸食されており、、、、、、ちょっと。。

③もはや文系。目的をもって入ればユニークなことを学べるし、国立大学であれば良いとは思う。また、理系が文転するのにつかわれる。はっきり言って、経済学学部に入れなくて、なんとなく偏差値が低いけどネームバリューが欲しかったという人が多い印象。脳軽とか言われる...

 

①-②の伝統的な分野は就職には強いが、生命科学系はダメダメ。当たり前である。分子生物学を応用している会社なんてほとんどない。そして、分子生物学は理学部物理学科、生物学科、医学部医学科、薬学部と競合する。

③はもはや文系。就職に関していうと、他の全ての文系学部との差別化に苦しむのではないか?と思う。そして、、国立大学以外は著しく就職が悪い。。

では①②は実際のところどうなのか?

はっきり言う。就職は、学部よりも大学のネームバリューや修士課程に在籍しているかに依存する。

ただ、修士まで進めれば技術職にエントリーできるのが①②である。

そして、農芸化学であれば化学がバックグランドであるので、化学メーカー、食品メーカー、製薬メーカーにチャレンジできる。ここは強いところである。

なお、理学部、工学部は数理系科目につよい為、金融職にも応募できるが、農学部の学生でチャレンジできる人は両学部と比較して非常に少ない。

理由は簡単で、地方国立大学、私立大学の受験にはな。。なんと、、数学Ⅱ・Bまでok。私立に限って言えば、なくてもokらしい。理系コースなのに、数学Ⅲ・Cを習う(気がなっかたー難関大学を目指していない...)これでは化学は学べても、大学の数学はさすがにわからないので金融職は無理である。。

話はそれたが、大体の人が食品会社を目指す。それかMR。私立であれば営業か、開発技術職である。女の子には品質管理の職種が人気ですが。分子生物学、バイオテクノロジーの会社はほとんどない為、そもそも入社する人がほとんどいない。

はっきりいって、工学部の様に推薦があまりないので、就職活動では苦労する。※工学部であればネームバリューがなくともメーカーへの推薦がある。(そもそも日本は製造業メインで募集人数が多いからだ。)食品メーカーははっきりいって、驚くほど小さい。採用人数も少ない。

例えば、サントリーの社員数は30,000人。一方、日立製作所の社員数は320,000人。10倍である...さらに日本の有名な製造業者は多い。そりゃ、(日本で有名な)製造業の募集人数が多い為、工学部の方が就職がよさそうに見えるよね。

なんで、ほとんどの人が有名企業に入れません。しかも、(アルコール飲料を除く)食品ってめちゃくちゃ安い。ということは、、、もちろん薄給です...

有名な会社に入りたい!!!と思っている人は、農学部は向かないかもね、工学部が良いと思う。理系で最高峰の年収と思われるクオンツだったりにはエントリーすらできん。(大学によるが、日大の数学系がアクチュアリーにチャレンジできる一方、近畿大学の農学部はだめぽですよ。みたいな。)

ネームバリューや給料にこだわるのであれば....農学部はおすすめできません。

1つだけあった。MRだ。農芸化学系の人はよくMRになる。給料良いです!!ただ、経済学部、文学部とかでもエントリできるからなー。