理系のキャリアを再考しつつ、色々と考える日記

少し変わったキャリアを歩んでしまった人が日々思うことをつらつらと書くblogです。

1, 2, 3...無限大

ビックバン理論で有名なガモフ先生が書いた科学啓発本?の一つである。私はこれを高校生の頃に入手し読んだが、わからない章が沢山あった。
大学になって、不思議の国にトムキンスなど他の者作も読み、高校の物理、化学を復習し、学部一年レベルの物理学の教科書(教養レベル)をマスターした。その時にも読んでもわからない箇所が沢山あった。
大学3年くらいに再度読んだが、やはりわかなかった。
いま、社会人5年目である章を少し読んでみたがわからなかった。
何故この本をわからないのに読むかというと、考える訓練になるし、何より扱っている内容が60年前のものに関わらず非常に興味深いからである。わからないなりに読んでも、何かを得た気になるし、非常に頭を使う。

実際なところ前書きを読み返してみると、このように書かれている。

空間を湾曲させることができるか、ロケットはなぜ収縮するとか。...ミクロおよびマクロな相をもつ宇宙全体の姿を読者に提示しようとしたものである。...そして基礎的な科学知識の全領域にわたって簡単ではあるが、とりこぼしなく概観できるように問題を選ぶことにした...彼女[マリナ・フォン・ノイマン]はこの本のいくつかの章の原稿を読んだあとで、理解できない話がたくさんあると言った。私話が、この本が最初に意図したような児童向きでさない、と判断したしだいである。

訳者あとがきでも難解だが興味深いと書かれている。トムキンスと並び、科学分野における名著と言える。ただ、高校生だと一部分しかわからないし、大学生でもわからない、果ては大学教授でも難しいと言っているので注意は必要である。最近のお手軽知識本ばかり読んでいると、一章目で挫折するだろう。